CAR革新の環境性能を備えたSUV「フォード エクスプローラー XLT EcoBoost」
2012.02.23

フォードの新世代エンジン、EcoBoost(エコブースト)を搭載した「エクスプローラー XLT EcoBoost」が、遂に日本上陸! 低燃費と高い動力性能を両立しているというアメリカンSUVの試乗レポートを、編集部 鈴木洋一がお届けする!
新時代アメリカンのカタチ

「EcoBoostエンジン」にはフォードのディーゼル・エンジン技術が活用されており、関連特許は125を超える。最高出力は243psと3.5L / V6の294psに及ばないものの、最大トルクは366Nm/3000rpmと3.5L / V6の345Nm/4000rpmを凌駕している。低回転域からフラットなトルク特性を獲得した事で、10/15モード燃費:8.1km/Lを実現。

リモコンで開閉できるリアハッチ、簡単にフォールディングできるサードシートなど、基本的な装備はV6モデルに準ずる。先代までのSUVらしいエクステリア・デザインも魅力的だが、スマートに洗練された新型は、より幅広い層にとって魅力的なスタイルと言えよう。

インテリアはアメリカ車らしくゆったりしている。シートは本革製、運転席と助手席にはシートヒーターやパワーシートを標準装備。運転席のパワーシートは10Way(助手席は6Way)で、小柄な女性から巨漢まで最適なドライビングポジションを設定できる優れもの。
●革新の環境性能を手にしたフォードの切り札
2011年、その20年の歴史の中で最も大きな改良を施され、全く新しいクルマとして衝撃のデビューを果たした新型フォード・エクスプローラー。安全性、快適性、そして環境性能、三拍子揃ったこのSUVは北米市場で既に高く評価され、好調な販売を続けている。昨年日本でも販売を開始したのは3.5L/V6エンジンを搭載したリミテッドとXLTの2モデルだが、2012年2月25日より満を持して発売する「エクスプローラーXLT EcoBoost」は、さらに高い環境性能を手にしたフォードの切り札なのだ!
●大きな車体から想像できない軽快な走り
エクスプローラーXLT EcoBoostは、2.0L/直列4気筒直噴式インタークーラー付きターボエンジンを搭載したFWDモデル。車両重量はV6のXLTよりも110kg軽い2,020kgとなっているが、果たしてこの大型SUVを2,000ccのエンジンでどこまで引っ張れるのだろうか? 試乗を開始してすぐにその疑問は払拭された。驚く程スムーズな走り出し。もっとエンジンがうなり声を上げるかと思いきや、振動すら感じることなくスーッと滑らかに走る。上り坂などでアクセルを踏み込んだ時のエンジン音は確かに2,000ccのそれであるが、車内の静粛性が高く、振動もほとんど伝わってこないので、そう気になるものではない。信号待ちではエンジンがかかっているのか、思わずタコメーターで確認してしまったほど。
一般道から高速道路へ入るといよいよ本領発揮! ターボラグのない鋭い加速で、ストレスも皆無。アクセルペダルに足を乗せているだけで、スイスイ進む。驚くべきことに100km/hに到達した時のエンジン回転数は2,000回転以下だった。
トルク特性が低回転域からフラットなので、市街地でも高速でも、アクセルを深く踏み込む必要はほとんどない。これなら実燃費で10km/Lを超えることも難しくないだろう。
時代のニーズが生んだ高性能

ボディカラーはリミテッドにも採用されている3コートのホワイトプラチナムの他、タキシードブラック、インゴットシルバー、キャンディレッド2を設定。希望小売価格は税別440万円。新型エクスプローラーは全機種がエコカー補助金制度対象車、購入時10万円の補助を受ける事が可能(2011年12月20日以降に登録した車両まで遡って適用)。

リアに付けられた「EcoBoost」のロゴが目新しいが、アメリカではすでにすっかりお馴染み。ちなみに、このエンブレムを見ずに外観でV6モデルと見分けるのは難しい。
●フォードがグローバルに展開する環境エンジン
「EcoBoost エンジン」は、フォードのグリーン化技術の中核。ディーゼルエンジンのようなトルクフルな走りと低燃費を、よりリーズナブルなガソリンエンジンで実現しており、2013年までに世界で150万機生産、北米で販売される90%のモデルにラインナップすると発表されている。
エクスプローラーXLT EcoBoostに搭載された2.0L EcoBoostは、直噴(高圧燃料噴射)、Ti-VCT(吸排気独立可変バルブタイミング機構)に低回転域から機能する低慣性ターボチャージャーを組み合わせ、さらにそれらを統合的にコントロールする事で、4.0L/V6エンジン搭載の旧型エクスプローラーと比較すると30psアップの243psでありながら、燃費性能は25%の改善を果たした。
●低燃費と運転する楽しさを両立
時には峠道やオフロードを攻める本格派にはやはりV6モデルが好適だろうが、シティユースメインならXLT EcoBoostをお勧めしたい。XLT EcoBoostの最大のライバルは、SUVではなく高級ミニバンだと言われている。ミニバンの広大な室内はゆったりしていて確かにファミリーカーには最適だし、昨今では走行性能の高いモデルも存在する。しかし、エクスプローラーのようなSUVに対して抱く「憧れ」「ロマン」といったものが、ミニバンには欠けている。事実、新型エクスプローラー購入者の50%以上は、国産ミニバンからの乗り換えだと言う。クルマに実用性だけでない「何か」を求めるユーザーが、エクスプローラーを選択しているのだろう。
個人的にはV8のアメリカ車が大好きだ。しかし一般にはアメリカンは大柄で燃費が悪いというネガティブなイメージも根強い。時代のニーズによって生まれた EcoBoostエンジンを搭載するエクスプローラーは、車体が大きくてもEco、パワフルでも低燃費。新時代のアメリカ魂とプライドを痛感させられた試乗であった。
photo: ORM編集部
text: Yoichi Suzuki
special thanks:
Ford Japan Limited(0120-125-175/http://www.ford.co.jp)
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