CARThe Sports Wagon 新型VOLVO V60 ロードインプレッション
2011.05.11
S60セダンのワゴン版で、ボルボがスポーツワゴンと呼ぶ新しいV60がデビューした。そのスポーティー度をモータージャーナリスト、中村孝仁が徹定的にチェック。併せてラゲッジスペースの使い勝手にもメスを入れた。
ボルボが考えるスポーツワゴンのかたち
Bピラーより前のボディパネルはセダンのS60と全く同じ。これはスポーティーバージョン『Rデザイン』の外観だ
リアエンドから見ると、ボルボらしい張り出したショルダー部がよくわかる
シンプル&クリーンな印象の室内は北欧家具のようなイメージ
近年ボルボはワゴンの作り方を変えている。かつては機能性一点張りで、そのスタイルすら顧みていないかのよう、運動性能だってお世辞にも良かったとは思わないが、質実剛健をモットーとして貫いていた。多くのボルボ・ファンにとってはそれで良かったのだ。
今、彼らは新しいV60をスポーツワゴンと呼ぶ。そもそもV60のVはversatile、即ち「多芸の」という意味を持つ。つまり機能性に溢れることを意味するのだ。だから、歴代のボルボワゴンは使い勝手がよくラゲッジスペースが広い。ところが新しいV60は決して広大なラゲッジスペースを持つとは言えない。勿論十分に機能的ではあるが、少なくともversatileを前面に押し出して、それを売りにするほどに機能的とは言えないのである。というわけで、V60はスポーティーでスタイリッシュなワゴンへと変貌を遂げているのだ。もしも、より広いラゲッジスペースが欲しければ、ひとクラス上のV70をチョイスしてくれ、というのがボルボの言い分である。
その新しいV60、すでにセダンとしてデビューしているS60のワゴン版であり、Bピラーより前の外観はS60と同じだ。インテリアもダッシュボードなどはS60そのものである。ではボディ形状が変わると運動性能はどのように変化するのだろうか。
セダンに匹敵する運動性能
なだらかな下降線をたどるサイドウィンドウのグラフィック。リア・クォーターウィンドウはごく小さい
少々床の高いラゲッジスペース。床面はこの下に2段の収納スペースがある
僅か1.6リッターながら180psを誇る直噴4気筒ターボ。性能的には十分だし、燃費もいい
結論から言えばスタイルが変わっても、それを意識させるところはない。室内空間は驚くほどに広いが、一般的にワゴンの欠点といえるボディの共振などによる音の籠りも見事に消している。スタイルを意識せずに乗ればS60そのものの乗り味だ。
そしてステアリングを握ってみても、S60並みの運動性能を確保している。さすがに最上級のRデザインになると、締め上げられたサスペンションのおかげで低速域で突き上げを感じてしまうが、高速域は独壇場。とりわけRの大きなコーナーが連続するようなワインディングロードは気持ちがいい。ステアリングの正確さはかつてないものだ。
日本仕様ではサイドミラーの位置を少しだけ変えて全幅を20㎜ほど狭くしているのも有り難い。そのスタイルによって従来モデルには及ばないものの、ラゲッジスペースはライバルと比べて僅かに小さい程度のサイズが確保され、ゴルフバッグも3セットを収納するという。また、シートを倒してフルフラットになる床面は3重底になっていて、最下段は一種のセキュリティーボックスとしても機能するようになっている。
これ以上を求めるなら、ワゴンではなくクロスオーバーやSUVを選ぶのが今風のクルマ選びということだろう。
<関連記事>
VOLVO S60。ボルボのフィロソフィーを昇華した最新作、登場。
http://orm-web.co.jp/headline/volvo_s60.php
photo&text: 中村孝仁
special thanks:
ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社
http://www.volvocars.com/jp
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