CAR新規自動車寸評:ボルボV70 DRIVe
2011.12.19
かつてはボルボと言えばこのモデルを指すほど人気が高く、ボルボ販売の7割を占めていた超人気車。ワゴン人気の陰りとともに近年は販売を落としているが、その妥協の無い作りはさすがワゴンを作らせたらNo1の実力と言われるボルボらしいもの。新たに排気量わずか1.6リッターのコンパクトな4気筒を積んだドライブeと呼ばれるモデルが追加された。その実力を中村孝仁がレポートする。
ボルボV70 DRIVeとは
フロントエンドはボルボらしい。しかし、最新のデザイントレンドではない
スパッと切り落され、スタイルよりも機能を優先したリアエンド。もはやデザイン的には新鮮みに欠けるか
最新鋭の1.6リッターターボエンジン。パワーはそこそこだが240Nmのトルクは極めて有効。ただし、いささかノイジーである
●どんなクルマ
V70と言えば、日本市場ではこれまでボルボの販売の中心にあって、同社のイメージを牽引してきたモデルである。サイズも4825x1890x154mmと立派なもの。しかし、今回投入されたドライブeは車重が1660㎏とサイズの割に軽い。同じ1.6リッターエンジンを積み、似たようなサイズのプジョー508SWと比較してもわずかに重い程度である。昔からボルボは重いイメージがあるが、そんな印象を払拭してくれるモデルだ。
●どんな特徴
V70のVは英語のversatilityからくるもので、多才とか多芸という意味を持つ。つまりワゴンの多様性を象徴したもので、リアエンドをスパッと切り落とし、より多くの荷物を収納できるデザインを持つこのクルマにはVの頭文字が相応しい。ちなみに最近のボルボワゴンでこのVを象徴できるのはこのクルマだけである。
ドライブeは省燃費と高効率を実現するためのボルボのソリューション。エンジンはフォードのエコブーストそのものであるが、1.6リッターながら180psの出力と、何より240NmというNAエンジンながら2.5リッター級のトルクを持つ点が特徴だ。そしてボルボのお約束である安全性。シティーセーフティーを標準搭載し、さらにヒューマンセーフティーもオプションで選べる。
中村孝仁の寸評
ダッシュ中央の一番見やすい位置にナビゲーションが付いた。フローティングコンソールもボルボ独特のもの
従来からとても使いやすいボルボのラゲッジスペース。少し浅いものの床面は2重に、これもボルボワゴンの特徴である
フロントウィンドーのセンサー類。シティーセーフティーの『目』がここにある。このクルマにはヒューマンセーフティーもついていた
●○と×
180psのパワーと10・15モード燃費リッター13.2kmを達成し、およそ20万円の減税を獲得した点が○。トルクフルで必要十分な加速性能を持っている点が○。ワゴンとしての機能性抜群な点が○。1.6リッターエンジンは軽快だが少々ノイジーな点は×。近年スポーティーなデザインが特徴となったボルボにおいて、少々アップデートが必要と思われるスタイリングは×
●どんな人向け
最近めっきり数が減ったワゴンの王道を行く本格派ワゴンを求める人。大柄でも燃費を気にするエコ志向派。ボルボV70フリーク。安全性と快適性、それにそこそこの走りの性能を1台で満たしたい人。
●乗ってみて。中村孝仁のお勧め度
現行V70が登場したのは07年のことだから、すでに5年近くが経過したことになる。今さら感はあるものの、今回は新しいエンジン、新しいトランスミッションに加え、インテリアにも修正が加えられている。この修正とは、日本人にとっては最も待ち望んだナビゲーションシステムのインダッシュ化である。従来はいつくかの機能を犠牲にしてそれを断行し、結果として画面が見にくく、本来あるべき機能も犠牲になっていたが、今回はそれが無い。ダッシュ中央の見易い位置にナビの画面が装備される。
一番気になったのは1660kgの車重に対して180psとはいえ、僅か1.6リッターターボで十分なパフォーマンスが得られるかという点。だが、それは杞憂だった。何よりも240Nmの最大トルクが1600~5000rpmという常用域の全域で発揮されていることによる乗り易さが一番だ。だから、本当に軽快に感じる。そのきびきび感は新しいパワーシフトと名付けられるツインクラッチの6速によってももたらされている。マニュアルベースのこのトランスミッション、効率はATより8%ほど高いという。乗っていての安心感はさすがボルボ。軽快感といい、多様性といい、1台ですべてをこなすにはもってこい。まさに王道を行くワゴンである。
お勧め度 ★★(3段階評価/450万円を切った値段も嬉しい)
photo&text:中村孝仁
special thanks:ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社
http://www.volvocars.com/jp
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